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源氏五十四帖 第41帖 幻

源氏五十四帖 第41帖 幻

源氏物語五十四帖は、源氏の一生と、その子薫君の生涯にまたがって書かれた最古の長篇小説です。

 

紫上の没後一年有余の源氏の生活は、灰色のもの悲しさでした。
新春の光を見ても悲しさは変わらず、年賀の客にも会わずに紫上づきの女房などと話をし、追憶にのみふけっていました。
明石中宮は宮中に帰られ、三番目の若宮が残って源氏の心の慰め手になっていました。源氏は、晴れがましい春の服装もせず、もの哀しく過ごしていました。つれづれのまま女三宮の所へ行くと、宮は持仏の前で経を読み、宿命の子若宮も人の手に抱かれ、源氏の後からついて来た明石中宮の三宮と、一緒に走り遊ぶ無邪気さでした。
夕暮の霞がたゆとう時、源氏は明石上をたずねて今昔の物語をしたけれど、源氏の心は紫上のことでいっぱいで、明石上は、うち解けぬそのそぶりをさびしく思いました。
暑い夏が来ても、池の蓮、 蜩の声、なでしこのタ映えを、源氏は黙然と眺め、七月七日の七夕にも、年中行事の遊宴もとり止めに。八月の詳月命日には、かねて予定しておいた曼陀羅の供養をして、涙ながらに故人を追悼しました。
九月九日の重陽の節会も寂しく送り、十月の時雨の頃、空を渡る雁に紫上の魂のありかを思いながら、十一月のはなやかな五節の節会も過ぎ、源氏は年の瀬を迎え、大事にしまっておいた紫上やほかの女性からの手紙を焼き捨ててしまいました。仏名の法会も、新年の用意も、みんな今年が最後だと、源氏は心ひそかに思ったのです。

 

源氏五十四帖

海老名正夫原画

製作32年

技法 木版画

サイズ 33×23.5

マットサイズ

額装サイズ

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    第41帖 幻
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