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源氏五十四帖 第38帖 鈴虫

源氏五十四帖 第38帖 鈴虫

源氏物語五十四帖は、源氏の一生と、その子薫君の生涯にまたがって書かれた最古の長篇小説です。

 

夏の頃、蓮の花盛りに、女三宮の持仏の供養が盛んに行なわれました。源氏の配慮で、仏具など善美を尽して用意され、紫上は僧侶の服装など、こまごまと世話をしてくれました。
父君の朱雀院は、女三宮に、源氏の屋敷から三条宮へ移り住むようにいわれるが、源氏はなかなか手放そうとしませんでした。
九月十五夜の夕暮れ時、源氏は女三宮の部屋にやって来た。庭には鈴虫。松虫などの秋の虫がしきりに鳴いていました。めずらしく源氏は琴を取り出し、世の中の有為転変に思いをはせながら、いつもよりあわれな音に演奏しました。その音色に女三宮も聞きほれ、数珠をまさぐることも忘れる有機だった。
そこへ蛍兵部卿宮が、夕霧や殿上人などをつれて、源氏が例の管絃の遊びをしているのだろうとはいって来ました。宮中で今宵開かれるはずの月見の宴が中止されたからです。源氏は一同を喜びんで、虫の音の品定めをしたり、琴を弾きそれを声々に合せながら、思い出されるのは亡き柏木のことだった。今背は鈴虫の宴、夜を明かしてと、宴酒になりました。
冷泉院に参ったついでに、源氏は秋好中宮の部屋を訪ねました。中宮は、世の中をはかなみ出家したいとうち明けます。源氏は思いとどめさせようとしたが、中宮の決心は堅く、たまたま中宮の生母、六条御息所の話になり、今もなおその亡念がたたりをなすので、霊を慰めるために法華八講を催そうと考えました。

 

源氏五十四帖

海老名正夫原画

製作32年

技法 木版画

サイズ 33×23.5

マットサイズ

額装サイズ

    ¥4,400価格
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    第38帖 鈴虫
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