東海道五十三次 45、庄野 白雨
『東海道五十三次』は、旅の起点である東京日本橋から京都三条大橋迄のいわば宿場町と道中の風景を描いた歌川広重の代表作です。
庄野の空が一転、にわかに曇り雨が降り出しました。
保永堂を代表する名作が、この夕立を描いた「白雨」になります。
天井の墨色一文字が、突然の天気の崩れを物語っています。
背景の竹やぶはざわざわと揺らめき音を立てているかのようです。墨の濃淡の変化による重層的な奥行き表現には、山水画の水墨表現への関心が伺えます。
雨の斜線を多用し動きを出しました。
坂からのぞくのは民家の屋根、風になぎ倒される林のシルエットを二重に重ね、強い風を印象づけています。坂を下る2人のうち、鍬を肩に担ぐ近所の農夫。駕籠に乗るのは通りすがりの旅人でしょう。
農夫が大股で駆けてゆくのに対し番傘を指す男は向かい風にあおられ
容易に足を運べません。
すぼめた傘と小さな歩幅が、風の強さを物語っています。
傘の「竹のうち」「五十三次」はさりげないコマーシャルです。
東海道五十三次/木版画
サイズ 18.3×25.8
マットサイズ
額装サイズ
東京国立博物館監修
版元 美術社
技法 古法純手摺
¥4,400価格
料金オプション
サブスクリプション
¥4,400キャンセルまで、毎月