4,無款(英泉)木曽街道六十九次 支蘇路ノ駅・浦和宿 浅間山遠望
『木曽街道六十九次』は渓斎英泉と歌川広重のコラボレーションによって描かれた浮世絵木版画の連作です。旅の起点である東京日本橋から京都三条大橋を結ぶ中山道ルートの宿場と四季折々の風景描写70枚をお楽しみ頂けます。
蕨の宿から一里十四丁で、浦和へ入ります。
遠山の日向に若葉がつき、歩けば尚寒い風が吹いてはすぎる上州路。
現在、東京のベッドタウンとして年々人口の増えるこのあたりでは想像することさえできない、戸数300軒余の宿場ででした。そしてここでは『木曾路名所図会』に「白はたむらに焼米を袋に入て、これをあきなふなり」。また『東海木曾両道中懐宝図鑑』にも「此所年中やき米を売る。名物なり。よってやき米坂と云へり。本名は浦和坂」とあるように、やき米を売っていました。
やき米とは、現在のおこしのことだといわれています。
この浦和宿では十返舎一九の狂歌「代ものを積み重ねしは商人のおもてうらわの宿のにぎわい」とある市が二と七の日に開かれ、遠く小田原あたりから来る者もあったそうです。馬に積まれた荷は市で求めた荷でしょうか。
炬燵の年配者は往来する者を眺め、馬の糞をかき集める子供の姿にはのどかさが広がります。
浅間の焼け山に煙が立ちたなびいては消えてゆく情感の一枚です。
木曽街道六十九次
監修/樽崎宗重
サイズ 33.1×24.5
マットサイズ
額装サイズ
用紙/越前生漉奉書
顔料/純日本製
摺法/純手摺木版画
製作/梶川工房
発行/山田書店
¥4,400価格
料金オプション
4,浦和宿 浅間山遠望
サブスクリプション
¥4,400キャンセルまで、毎月