東海道五十三次 38、藤川 棒鼻ノ図
『東海道五十三次』は、旅の起点である東京日本橋から京都三条大橋迄のいわば宿場町と道中の風景を描いた歌川広重の代表作です。
舞台は棒鼻と呼ばれる宿外れで榜示杭と高札が立っています。
この行列では黒と茶の馬が御幣を立てているので、このご一行は幕府から朝廷にこの馬を献上する「八朔御馬献上」の行列との解釈です。
出迎える羽織袴姿の二人は宿の役人で、旅の男性も笠を脱ぎ、役人たちに従っています。左端でじゃれあって遊ぶ3匹の子犬も、重要な役割を演じています。
人間が醸し出す緊張感を犬たちを登場させることでほっこり感を演出しているのです。お役人の一人が犬の方を向き微笑みました。まあるい小さな犬の形は、丸山応挙以来描かれてきた丸山四条派の典型的であり、この図でも、広重は円山四条派の描法を学んでいることが伝わります。
東海道五十三次/木版画
サイズ 18.3×25.8
マットサイズ
額装サイズ
東京国立博物館監修
版元 美術社
技法 古法純手摺
¥4,400価格
料金オプション
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¥4,400キャンセルまで、毎月