東海道五十三次 34、二川 猿ケ馬場
『東海道五十三次』は、旅の起点である東京日本橋から京都三条大橋迄のいわば宿場町と道中の風景を描いた歌川広重の代表作です。
副題の猿ケ馬場は、白須賀の宿を西に出てすぐのところにありました。
ここはいまだ遠江国であって、二川宿のある三川国との境はもう少しだけ西に位置しておりました。
この猿ケ馬場は「東海道名所図会」によると小松が多く生えている景勝の地で柏餅を名物とする茶店があったようです。海や空が全く見えない風景。松の生えた丘が草原のように広がる大胆な構図ですね。三味線を手にしたり背負ったりしている三人は、瞽女と呼ばれた盲目の芸人さんです。
瞽女は諸国を廻り、家々の門口で芸を披露しては生計を立てていました。瞽女は降雪地帯の職業というイメージがあり新潟県では現在もその伝統が受け継がれています。江戸時代は全国で活躍していました。初版は福祉政策の一環として瞽女を保護し、領内を巡歴させていました。
「名物かしは餅」の看板が見えて参りました。こちらは柏餅で有名でした。店先に、旅人らしき男の姿が見えます。
瞽女たちもここで一服するのでしょうか。広重は、この猿ケ馬場の柏餅をお出しする茶店がお気に入りなのかしら?行書、隷書の東海道シリーズでも二川といえばここを描いています。
東海道五十三次/木版画
サイズ 18.3×25.8
マットサイズ
額装サイズ
東京国立博物館監修
版元 美術社
技法 古法純手摺
¥4,400価格
料金オプション
サブスクリプション
¥4,400キャンセルまで、毎月