東海道五十三次 32、荒井 渡船ノ図
『東海道五十三次』は、旅の起点である東京日本橋から京都三条大橋迄のいわば宿場町と道中の風景を描いた歌川広重の代表作です。
舞坂宿から荒井宿への今切の渡しを描いています。穏やかな「今切」の風景です。
二艘の船が舞坂から荒井に向かって進んでゆきます。
画面中央を進むのは大名の御座船で、幔幕を張って毛槍を立てています。
対岸が厳重な取り締まりで有名な荒井の関所です。続く船は、中間(ちゅうげん)と呼ばれるお供のものを乗せた船です。
中間たちのくつろいださまがユーモラスに描き出されています。
丸くなって居眠りするもの。首をがっくりと垂れて眠るもの。
左手を突き上げ「うぁ~」と大きなあくびをする者もおりますね。舞坂から荒井まで海路1里(約四キロ)の工程のうち、舞坂寄りの半里には波除杭や塩除堤が築かれて遠州灘の潮流を受けないように工夫されていましたが、荒井よりの半里にはそうした施設はありませんでした。
対岸の荒井は、厳しい取り締まりで知られており緊張感が高まる中、この瞬間のリラックスした雰囲気が場を和ませてくれます。
東海道五十三次/木版画
サイズ 18.3×25.8
マットサイズ
額装サイズ
東京国立博物館監修
版元 美術社
技法 古法純手摺
¥4,400価格
料金オプション
サブスクリプション
¥4,400キャンセルまで、毎月