東海道五十三次 23、藤枝 人馬継立
『東海道五十三次』は、旅の起点である東京日本橋から京都三条大橋迄のいわば宿場町と道中の風景を描いた歌川広重の代表作です。
品田宿から運ばれてきた荷物は、この藤枝宿の問屋場で人足と馬が交代するところで次の岡部宿まで運ばれました。
「人馬継立」とは、宿駅ごとに人馬を替え、バケツリレーのように人や荷物を引き継いで送ってゆくことです。
藤枝の図は、問屋場と呼ばれた中継所にあたります。荷物の引き継ぎを済ませ、たばこを吸ったり背中をふいているグループと、受け取った荷物を担いで出発しようとするグループに分かれておりますね。中央の2人が担ぐ長持の「保永堂」とかかれた札をご覧になれますでしょうか。手前の馬の腹掛けには、「竹内」と保永堂の主人竹内孫八の名があります。版元のコマーシャルです。
黒羽織を着た役人の姿勢や手の動き。
背中を丸め、人馬の数や賃金を記録する帳付が帳面片手に働いています。上体を乗り出す姿は職務に対する熱心さが伺えます。床についた右手には物腰の柔らかさと膝の上にきちんと置いた左手には真面目さが感じられます。
名脇役的な人物をしっかり描き、現実味を生み出すのは広重が得意とするところでした。
東海道五十三次/木版画
サイズ 18.3×25.8
マットサイズ
額装サイズ
東京国立博物館監修
版元 美術社
技法 古法純手摺
¥4,400価格
料金オプション
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