源氏五十四帖 第48帖 早蕨
源氏物語五十四帖は、源氏の一生と、その子薫君の生涯にまたがって書かれた最古の長篇小説です。
年が明け、春の光が射しても、中君の心は晴れませんでした。山の阿闍梨の許から、早蕨やつくしを新春の初穂として贈って来たのに、返歌などしたためて、ささやかな慰めに過ぎなかったからです。
都では、薫君と匂兵部卿宮が顔を合せると薫君は亡き大君をしのび、匂兵部卿宮は中君のことを話すのでした。
二月一日頃、中君は、宇治から二条院へ移り住むようになり、薫君は、車や従者の用意か土産物のはしばしに至るまで、こまごまと心配りをし世話をしました。そして、二月七日に、宇治を出発していよいよ都に向うぎりぎりいっぱいまで、薫君は中君の家にいて名残を惜みます。
七日の宵過ぎて、中君は絢爛豪華な二条院へ到着しました。車のもとに走り寄った匂兵部卿宮は、中君を抱きかかえるようにして車から降し、侍女の部屋まで用意しての歓迎ぶり に、世間の人々は、目を見張りました。
薫君は、新築の三条宮へ、二月二十日過ぎに移るため、毎日のように出向いて参りました。三条宮は二条院近くなので、中君の幸福な様子を伺い、かつは喜び、かつはまた憂鬱な気持ちにもなりました。
タ霧左大臣は、娘の六の君を匂兵部卿宮と結婚させることに失敗したので、薫君にすすめたが、薫君は見向きもしません。
花盛リの頃、薫君が二条院の花を中君と一緒に見ていると、奥から匂兵部卿宮がいらして、嫉妬がましく皮肉を言ったので薫君は心苦しくなりました。
源氏五十四帖
海老名正夫原画
製作32年
技法 木版画
サイズ 33×23.5
マットサイズ
額装サイズ
¥4,400価格
料金オプション
第48帖 早蕨
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