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源氏五十四帖 第25帖 蛍

源氏五十四帖 第25帖 蛍

源氏物語五十四帖は、源氏の一生と、その子薫君の生涯にまたがって書かれた最古の長篇小説です。


玉鬘は、失き母タ顔にもまして美しく成育し源氏は玉鬘に対する思慕の念に思い乱れるほどでした。玉鬘に思いを寄せる若人は多かったが、中でも源氏の弟の兵部卿の宮は、熟心な求婚者の一人でした。しかし、玉鬘は、度重なる兵部卿の宮からの手紙に対して、ろくろく返事もしませんでした。
兵部卿の宮が忍んで来て玉鬘に話しかけた末、凡帳のれ布をさっと持ち上げました。するとこの瞬間、急に手燭をさし出したかと思われるほど、あたりが明かるく光り輝きました。

夕方から集めておいた蛍を、源氏が急に部屋の中に放したからです。玉鬘は不意をうたれ、あらわに顔を見られるのをいとい、扇を開いて急いで顔を際したが、兵部卿の宮は明るさで玉鬘の優れた美しさをはっきり見ることができ、恋情は一層つのるばかりです。これは、源氏が二人の仲をとりもつ計画ででしたが、無心の蛍は、夢のような光を放って室内をとび交うていました。

 

源氏五十四帖

海老名正夫原画

製作32年

技法 木版画

サイズ 33×23.5

マットサイズ

額装サイズ

    ¥4,400価格
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    第25帖 蛍
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