源氏五十四帖 第2帖 空蝉
源氏物語五十四帖は、源氏の一生と、その子薫君の生涯にまたがって書かれた最古の長篇小説です。
五月雨の晴れ間もなく雨が降り続く頃、光源氏の若は御物忌(おものいみ)のため永らく宮中に籠っておりました。得にその日は終日降り暮らし夜に入っても雨は止まずに宿直の人も少なくしめやかでのどかでした。そのような折、日ごろ親しくしている頭中が尋ねて来ました。
灯火を近づけ、話のついでに色々の色紙に書かれた恋文を取り出して見せようとしている所に、また左馬頭が。そして藤式部丞も宿直しようとして来あわせました。
若い四人の話題は女性の話が中心で、中でもよく語るのは年上の馬頭であり、源氏の君はなるほどそうゆうものかと聞いていました。
この雨夜の語らいは、取りとめもないことのようで終りましたけれど、やがて梅雨晴れの季飾となり、宮中から正妻の葵上の許に退出した源氏の君は、たまたま中川の宿りに行き、そこで伊豫介として任国に趣いた夫と別れて寂しく留守している空蝉の閨に忍び入ることになりました。物語にはその翌朝の情景です。
「御直衣など着たまひて、南の勾欄にしばしうちながめたまふ」
月は有明にて光をさまれるものから、影さやかにみえて、なかなかをかしき曙なり」云々と美しく描いている。
源氏五十四帖
海老名正夫原画
製作32年
技法 木版画
サイズ 33×23.5
マットサイズ
額装サイズ
¥4,400価格
料金オプション
第2帖 空蝉
¥4,400キャンセルまで、毎月